■日本むかしばなし・・・【トラ太郎】涙・・・※ハンカチを用意下さい。

 

むがーし、むがし・・優しいじさまと、意地わりいじさまが、住んでてよ。

ある日、優しいじさまは、意地わりぃじさまが、「この、オンボロが!」つって、畑さー、ぶん投げた、軽トラもらってきたんだとよ。

優しいじさまはよ、「いやぁ、よぐよぐ、くたびれちって、可愛そうだこと、どれ、綺麗にしてやっぺっ。」

 

【トラ太郎】つって名前まで付けちって、自分の子供みてーに、よーぐ可愛がってたんだとよ。

「まってろよー、いま、きれいにしてやっかんなぁー」

「トラ太郎、おめぇは、よぐ働いてきたなぁー、てぇしたもんだ」

そしたっけれー、優しいじさまの手によって、「ありゃま」どんどん、どんどん綺麗になってくっぺな。

「じさまぁー、こんなオラを拾ってくれて、ありがとよー」ってトラ太郎も言うんだしけな。

優しいじさまはー、よーろこんちって、「もっときれいにしてやっかんなー、まってろよー」

 

それから・・・すっかりトラ太郎も、元気になっちまってよ。

重い荷物でも、文句の一つも言わねえで、よーぐ働いてくれたんだとよ。

そんなもんだから、優しいじさまはのところには、仕事がじゃんじゃんくっぺな。

それを見てた、隣りの意地わりぃじさまがよ「トラ太郎を返せ」と言い出したんだしけよ。

しゃーねえから、優しいじさまは、返したんだとよ。

そしたっけー、意地わりぃじいさまの所には、安~い仕事しか来ねえんだと。

案の定、意地わりぃじいさまはー、意地やけちってー、、トラ太朗のこと、山さ、捨ててきちまったんだとよ。

 

その日の夜、優しいじいさまの夢の中に、トラ太郎が出てきたんだとよ。

「じさまぁーー、オラ、じさまと仕事がしてぇよー」

「じさまと仕事がしてぇよーーー」

何度も、夢の中で叫んでたんだってな。

 

 

朝になったっけれー、あらま、トラ太郎がひょっこり、優しいじさまの家さぁ、戻って来てたんだとよ。

「おめぇ、よーぐ1人で帰ってこれたなやぁーー、寂しかったっぺっぇーー」

それから・・・優しいじさまとトラ太郎は一生懸命仕事したっぺな。

それが、村中さ評判になって、殿様のところの、仕事も、やらしてもらえるようになったんだとよ。

よーっぐ働くもんだから、殿様に「褒美をやろう」ってまで言われてな・・・そりゃー、よぐよぐ、儲かったっっぺな。

 

それを耳にした、意地わりぃじさまがよ。

殿様の所さ行って「オラにも仕事やらしてくれっけっ?」って言ったんだしけな。

そしたら、殿様、おーごっっちって、、、「おめえなんかの仕事ねーど?!適当な仕事ばかりしやがって!この、ごじゃっぺ!!」

 

そんなもんだからー、意地わりぃじさまはー、廃業するしかあんめよ。

 

 

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