むがーし、むがし・・優しいじさまと、意地わりいじさまが、住んでてよ。
ある日、優しいじさまは、意地わりぃじさまが、「この、オンボロが!」つって、畑さー、ぶん投げた、軽トラもらってきたんだとよ。
優しいじさまはよ、「いやぁ、よぐよぐ、くたびれちって、可愛そうだこと、どれ、綺麗にしてやっぺっ。」
【トラ太郎】つって名前まで付けちって、自分の子供みてーに、よーぐ可愛がってたんだとよ。
「まってろよー、いま、きれいにしてやっかんなぁー」
「トラ太郎、おめぇは、よぐ働いてきたなぁー、てぇしたもんだ」
そしたっけれー、優しいじさまの手によって、「ありゃま」どんどん、どんどん綺麗になってくっぺな。
「じさまぁー、こんなオラを拾ってくれて、ありがとよー」ってトラ太郎も言うんだしけな。
優しいじさまはー、よーろこんちって、「もっときれいにしてやっかんなー、まってろよー」
それから・・・すっかりトラ太郎も、元気になっちまってよ。
重い荷物でも、文句の一つも言わねえで、よーぐ働いてくれたんだとよ。
そんなもんだから、優しいじさまはのところには、仕事がじゃんじゃんくっぺな。
それを見てた、隣りの意地わりぃじさまがよ「トラ太郎を返せ」と言い出したんだしけよ。
しゃーねえから、優しいじさまは、返したんだとよ。
そしたっけー、意地わりぃじいさまの所には、安~い仕事しか来ねえんだと。
案の定、意地わりぃじいさまはー、意地やけちってー、、トラ太朗のこと、山さ、捨ててきちまったんだとよ。
その日の夜、優しいじいさまの夢の中に、トラ太郎が出てきたんだとよ。
「じさまぁーー、オラ、じさまと仕事がしてぇよー」
「じさまと仕事がしてぇよーーー」
何度も、夢の中で叫んでたんだってな。
朝になったっけれー、あらま、トラ太郎がひょっこり、優しいじさまの家さぁ、戻って来てたんだとよ。
「おめぇ、よーぐ1人で帰ってこれたなやぁーー、寂しかったっぺっぇーー」
それから・・・優しいじさまとトラ太郎は一生懸命仕事したっぺな。
それが、村中さ評判になって、殿様のところの、仕事も、やらしてもらえるようになったんだとよ。
よーっぐ働くもんだから、殿様に「褒美をやろう」ってまで言われてな・・・そりゃー、よぐよぐ、儲かったっっぺな。
それを耳にした、意地わりぃじさまがよ。
殿様の所さ行って「オラにも仕事やらしてくれっけっ?」って言ったんだしけな。
そしたら、殿様、おーごっっちって、、、「おめえなんかの仕事ねーど?!適当な仕事ばかりしやがって!この、ごじゃっぺ!!」
そんなもんだからー、意地わりぃじさまはー、廃業するしかあんめよ。
終